化粧品で何とかしようと思うな〜乾燥肌
乾燥が気になるこの季節、乾燥肌でお悩みの患者様の相談が寄せられます。
「いくら化粧水・乳液をつけてもパリパリになる」
「なにかよいものはないかしら」
化粧をすべておとしてもらい、診察すると「赤ら顔」の方が多くみうけられます。
血管が透けて見えるということは角質・表皮がうすくて、真皮にある血管が透けて見えるからです。
ということは角質がうすい、もしくは角質が全くない状態といえます。
これは日本人の潔癖による乾燥肌で、クレンジングや石けんで本来皮膚が必要な脂を落としすぎているという結果、
赤ら顔」、「乾燥肌」に帰着します。
皮膚は表層から 皮脂、角質、表皮、真皮、脂肪、筋肉という順番でなりたっています。
化粧品は正常な角質の上で本来働くモノですから、
乾燥肌で角質のない皮膚の上に化粧品を加えると接触皮膚炎をおこす可能性が高くなります。
角層には、保湿成分がふくまれていて、天然保湿因子、尿素、セラミドが含まれています。乾燥肌の方は角質がなくなるまで、
クレンジングで落としているため、これらの保湿成分がありません。
治療は簡単です。 洗顔に気をつけて、白色ワセリンをぬって終了です。
皮膚は1ヶ月サイクルで生まれ変わっていますので正常な角層が形成されるまでワセリンで保湿していればよいのです。
そうすればシミも赤ら顔も徐々に改善されていきます。
化粧品コーナーやサイトなど、油分・水分が足りないからあれやこれやと まぁまぁ営業熱心ですこと・・。
化粧水・乳液・クリームは水分が飛べば「パリパリ」です。
ちなみに欧米諸国に”化粧水”はほとんど売っていません。
正常のヒトも、乾燥性皮膚炎のヒトも身体からでてくる水分量は年齢に応じて変化はありますが、基本的に一緒です。
だったらワセリン(オイル)で皮膚をコーティングしてあげれば水分は理論上、飛びません。弱点は「テカル」だけです。
洗顔方法は北里研究所病院の佐藤先生が仰っておられるように、アイメイク以外のメイクは
無添加固形石けんのネット泡洗顔3〜5分でとれるとのことですので、
可能な限りクレンジングは使わない。 また、こすり取らない。 摩擦を避ける洗顔をすればOKです。
男性の方が肌が綺麗なのはクレンジングを使わないからなのでしょう。